有田焼創業400年事業 - 佐賀県が取り組む17のプロジェクト - ARITA EPISODE2 - 400 YEARS OF PORCELAIN. NEW BEGINNING. -
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酒器プロジェクト - 酒蔵とのコラボレーション - report 2

消費者へ届ける佐賀の宝―。銘酒を堪能するARITA「地の盃」

有田の窯元が佐賀の酒と向き合い、地元の人が地の酒を愉しむために創られた酒器「地の盃」。2016年3月の発表以来、佐賀に止まらず福岡、東京と、作り手がチームとなった販促活動が拡大している。有田焼と佐賀酒という「宝」のコラボが見せる展開とは。

December 27, 2016
文: 宮崎 伸介

蔵元の銘柄・味に合うデザインの12種の酒器

佐賀の酒を「さらに美味しく」をコンセプトに、有田焼10の窯元・作家と有田焼産地で酒造りを行う8蔵元、県酒造組合が協力して開発したARITA「地の盃」―。日本酒を楽しむシーンを彷彿とさせるネーミングから、蔵元の銘柄に合わせた形態、遊び心を忘れない絵付けに仕掛けと、それぞれの酒が持つ「個性」を存分に表現した酒器だ。例えば丸みを帯びた白磁に紅の貫入で桜を表した器には甘めの酒を、天目釉のきらめきが天体模様を思わせる器にはすっきりとした酒、という組み合わせの「妙味」。呼子のイカや竹崎カニ(ワタリガニ)をモチーフとした絵柄。サイコロを振って器を選ぶ、仲間とお酒を楽しむ酒器。そしてそれぞれの酒器に添えられている「合わせて飲みたい佐賀酒」と「使って欲しい人物」を交えた制作のエピソード。「器」×「酒」×「人」の物語を肴に、旨い佐賀の酒を楽しむ、という趣向がふんだんに盛り込まれている。

このARITA「地の盃」は2016年3月の発表以来、蔵元や酒販店、オンラインショップなどでの販売をベースに、福岡や首都圏と次々にプロモーションを拡げている。

佐賀酒をARITA「地の盃」で試飲する展示販売が好評

2016年10月19日~26日の期間、福岡市・天神のイムズビルで開催された、九州の食と道具の見本市「皿の上の九州」に、ARTA「地の盃」が登場した。福岡地区では初めての展示・販売で、この日は酒販店や窯元・作家らのプロジェクトメンバーも販売に加わり、消費者の反応を伺った。地下街に連なる人通りの多い会場でこのARITA「地の盃」の展示に足を止めるのは、やはり日本酒を愛する方。30代と思しき夫妻は、パールの光が美しい「麟(lin)」シリーズのぐい吞みと徳利を手に取ると、すかさず購入した。「こんな酒器で日本酒が飲めるって素敵なことじゃないですか。色も素敵だけど大きさも形も、自分たちのくらしに丁度よい」と話す。

佐賀の地酒とのマッチングイベントとして、試飲できるプロモーションも行われた。福岡の見本市と前後して、佐賀酒をARITA「地の盃」で試飲し、酒器の呑み心地を楽しむ展示販売は、東京の伊勢丹新宿店や靖國会館でのイベント、大手町で開催された九州各県合同物産展などでも実施。さらに都内の飲食店とコラボして、地の盃で楽しむ佐賀酒とそれに合わせた料理を味わう限定食事会なども複数展開し、地道な販促活動でARITA「地の盃」と佐賀酒ファンを拡げる活動となっている。

今後の販促活動は、いかに「酒好き」に訴求させるか

こうしたARITA「地の盃」の企画から販売までを取り仕切るプロジェクトディレクターの鷹巣翼氏は「佐賀の旨い酒に上質な有田焼。このふたつを切り離してはもったいない。だからと言って『じゃあ器を作ろう・作りました』だけでは、作る側からの一方通行で終わってしまう。このプロジェクトの当初の構想では、数種類の共通デザインの酒器ブランド、という程度でしたが、実際にできあがったのはひとつひとつ異なる開発秘話を共にした12種類という豊かなバリエーションの器たち。酒器では圧倒的人気の唐津焼とも、グラスとも違う美味しさ、愉しさを追求した器です」と語る。来年度以降はプロデューサーが引き上げ、地域の人々が訴求や販促活動を担い、発展させていく、といった動きも有田焼創業400年事業の他のプロジェクトでは散見されるが、このプロジェクトでは、今後の活動費は商品や箱の売上などから捻出し、事業を継続する仕組みを整えている。鷹巣氏も「このプロジェクトで生まれた〈新たな価値〉を、今後はいかに〈酒好き〉へ訴求していくかが重要」と考えている。

3年間に及ぶ有田焼創業400年事業もいよいよ大詰め。窯元×蔵元×地元の三者の想いがクロスした郷土愛にあふれる「ARITA 地の盃」の販促活動が継続的に行われながら、ARITAと佐賀酒という地の「宝」が、ともに発展していくことを願う。

ARITA「地の盃」WEBサイト

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