ARITA EPISODE 2
- 有田焼400年 新しい時代のはじまり ―
616年、有田の地に日本で初めて磁器が誕生し、2016年で400年を迎えます。有田は磁器の一大生産地として、誕生当初より日本全国から需要が高まり、続く18世紀にかけ、オランダ東インド会社(VOC)によって海外輸出も盛んに行われ、ヨーロッパの宮殿を彩りました。1900年のパリ万博への出展ではメダーユドール(最高名誉賞)を受賞するなど、語り継がれる実績がいくつもあります。
先人たちの優れた技術と想い、そして豊かな風土が、有田焼の発展に灯をともしつづけてきました。しかし近年、時代の変化に伴うライフスタイルの多様化などにより、さまざまな問題を抱え、大きな岐路に立たされています。
来るべき次の100年に向け、これまでの伝統を受け継ぎながらも、過去の名声に慢心することなく時代に沿ったものづくりを進め、さらにその魅力を世界中に発信していかなくてはなりません。礎となった400年を「EPISODE 1」と位置づけたうえで、一旦この物語に区切りを付け、新しい物語「EPISODE 2」を紡いでいく。現代に生きる私たちが、今まさに先人たちからのバトンを受け、さまざまな課題に直面しながらも有田焼に変革を起こそうと、新たな歴史を築きはじめたところです。
RITA EPISODE 2において、私たちは3つの考えを柱として取り組みます。一つは、既成概念にとらわれることなく、有田焼の新しい価値を生み出していく「イノベーション」。デザインなどの面で外部からの視点を積極的に受け入れ、さらに素材や生産技術について研究開発を行い、持続して革新的な商品開発に挑みます。
そして、数ある陶磁器の中でも有田焼の卓越した技術と品質の素晴らしさを伝え、有田の再評価を促す「リブランディング」。先祖から脈々と受け継がれているものづくりと、時代の変化に合わせた商品づくりを重ね、有田焼らしさで世界を魅了します。
さらに、世界で求められる有田焼を生み出すため、優れた職人やデザイナーなど、有田焼の未来を担う「クリエイターの育成」とともに、有田の地に世界で活躍する人材が集う“ものづくりの聖地”を目指し、その基盤づくりを行います。
これから生み出されていく次世代の有田焼の商品を「ARITA」と銘打って、有田焼の存在を世界中に知らしめ、必ず後世に残すという私たちの決意を示します。従来の概念を覆し、さまざまな側面からチャレンジを始めたこれからの有田焼の物語「ARITA EPISODE 2」にご注目ください。