有田焼創業400年事業 - 佐賀県が取り組む17のプロジェクト - ARITA EPISODE2 - 400 YEARS OF PORCELAIN. NEW BEGINNING. -
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2016/ project report 2

イタリア・ミラノでARITAを発信。世界に広がる「2016/ project」への期待。

2015年4月、ミラノサローネでにぎわうイタリア・ミラノで、「2016/ project」のプレスプレビュー&エキシビションが開催された。世界で活躍する8カ国16組のデザイナーと有田焼の窯元・商社が取り組む、次世代の有田焼開発プロジェクトの展開をレポートする。

June 17, 2015
文: 浜野 百合子

ミラノサローネでのプレスプレビュー&エキシビション

毎年4月にイタリア・ミラノで開催される世界的なデザインの祭典「ミラノサローネ」。この時期のミラノ市内は、各所でさまざまなイベントや展示があり、世界中からたくさんのクリエイターやデザイン関係者が集うデザインウィークとなる。

有田焼創業400年を迎える2016年に、ミラノでの正式発表を予定している「2016/ project」は、前年となる今年(2015年4月14日~19日)、同地でプレスプレビュー&エキシビションを開催した。

今回会場に選んだのは、緑豊かなロケーションが印象的なSpazio Rossana Orlandi(スパツィオ・ロッサーナ・オルランディ)。古い屋敷を改築した建物内は小さな部屋に分かれていて、ミラノサローネ期間中はギャラリーとして、毎年注目のデザイナーやブランドが展示を行う人気のスポットだ。

海外デザイナーの起用がもたらす、世界へのアピール

会期中は、2016/ projectに参加する窯元や商社、有田焼創業400年事業に携わる関係者一同がミラノに集結。4月14日~16日の3日間は、朝9時から世界各国のブレスやジャーナリスト、デザイン評論家らを招き、朝食会をかねたプレスプレビューを開催した。

来場者には、クリエイティブ・ディレクターを務める柳原照弘氏やオランダのデザインデュオ、ショルテン&バーイングスらが、有田焼の歴史やものづくりの姿勢、2016/ projectについて説明し、参加デザイナー16組を紹介、有田焼の未来に向けた新プロジェクトの概要を発表した。

建物内のエキシビションブースでは、有田焼の原料となる陶石や400年におよぶ歴史の中で生まれてきた製品、有田焼の新たな可能性を見せるきっかけとなった1616/arita japanの商品、2016/ projectに参加しているデザイナーが他のメーカーにデザインを提供した作品を組み合わせて展示。今、有田で行われているコラボレーションの一端が感じられる構成だ。

開発中のため、まだ2016/ブランドの商品を見せることができない段階でのプレスプレビュー&エキシビションではあったが、「まず有田焼の背景やクオリティ、ディテールを見せることが大切。いいねと話題になることが、ブランディングの近道になる」と語るのは、参加商社のひとつ百田陶園の百田憲由氏。3年前、同じくミラノで、柳原氏やショルテン&バーイングスとともに1616/arita japanブランドを発表した経験をもつ。「会場ではすでに有田での取り組みについて関心を寄せている企業や媒体も多く、『いつから売り出すのか?』など商談につながる引き合いもたくさんいただきました」。

海外での認知の広がりが早いのも、世界的デザイナーが参加している2016/ projectならではだろう。海外デザイナーとの協働は、伝統ある有田のものづくりに新たな息吹を吹き込むとともに、各デザイナーがプロジェクトへの参加を語ることによる世界的な発信力も得ることができる。

新たな刺激を受け、高まる結束力

現在2016/ projectでは、進捗の差こそあるものの、順次デザイナーからデザイン提案を受け、試作の段階に入っている。今回のプロジェクトが初めての海外との取り組みになる窯元や商社も多く、意外と難しいのが、海外のデザイナーとの図面でのやりとりだ。しかし図面通りに作ることだけが正解ではない。「デザインの意図を汲み取る作業が重要なんです」と百田氏。迷い、悩み、失敗することもあるが、「コミュニケーションを通じてお互いを理解し合うことが、より良い商品開発に繋がる」という。

ミラノの会場では、久しぶりに顔を合わせたデザイナーと開発ミーティングを行うなど、活発な意見交換も行われた。海外イベントならではのオープンな雰囲気の中で、参加した窯元や商社からは「いつもより発想が豊かになった」「デザイナーや関係者らと結束が強まった」との声もあがる。現地の空気感を肌で感じ、受けた刺激の数々が、これからのARITAのものづくりに生かされていくことだろう。「世界中から想像以上に期待されている」と実感し、改めて気を引き締めた一同。「来年は、関わった人すべてに喜んでもらえる状況をつくりたい」と意欲を燃やし、2016/ projectをきっかけに、地域の意識改革、有田の産業再興を狙う。

2016/ projectは、2016年4月のミラノデザインウィーク(ミラノサローネ)で正式発表。日本でのお披露目は2016年秋を予定し、販売体制も整うよう準備を進めている。

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