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食の都でトップシェフを魅了する。SIRHA 2015でのARITAの挑戦。
「プロユース“educe”プロジェクト」から選ばれし精鋭8社が、フランス リヨンで開催された「SIRHA 2015 -シラ国際外食産業見本市-」に出展した。世界のトップシェフたちと直接交流し、反応を見聞きし、彼らが求める食器とは何かを考える貴重な経験を得た。展示会会場での様子をレポートする。
世界の舞台に挑む有田焼の精鋭たち
食の都、フランス リヨンで1月24日〜28日の5日間、開催された「SIRHA 2015 -シラ国際外食産業見本市-」。その会場に大きくARITAの文字が掲げられた。この見本市は、その名の通り、レストランやホテルなどの外食産業に向け、調理器具やテーブルウェア、インテリア什器から食材に至るまで、あらゆる料理提供サービスに関わるアイテムを紹介・商談する展示会で、隔年の1月下旬に行われている。会場であるEUREXPOは、12万㎡の展示面積を誇り、東京ビッグサイトの約1.5倍。その広大な展示スペースすべてに世界中からビジネスチャンスを求めたブースが立ち並び、シェフをはじめとした外食産業関係者を招いている。ARITA も創業400年事業の一環として、「ARITA LA PORCELAINE DU JAPON」と銘打って約50㎡のブースで出展。参加事業者は、「プロユースプロジェクト -NEW ARITA 400"educe"プロジェクト-」から選ばれた精鋭8社。ZENやPLANET、KABUKI-MONOなど8つのテーマで商品を並べた。
グランシェフも興味を示すARITAの魅力
SIRHA 2015では、世界最高峰の料理人のコンクール「ボキューズ・ドール」やその他調理の実演エキシビションもいたる所で行われており、ARITAブースにも多くのシェフが絶えず来訪した。日本人オーナーシェフとして、パリで初めて一つ星に輝いた平松宏之氏は、有田焼に関しての造詣も深く、ご自身で色鍋島の尺皿をコレクションしているとのこと。ARITAをご覧になり、大いにエールを送られた。フランス・アルザスにあるミシュラン3つ星レストラン「ランスブルグ」のオーナーシェフ ジャン・ジョルジュ・クライン氏は、表面にサンドブラスト加工を施した新しいテクスチュアの皿に対し、質問を繰り返しながら、1時間ほど滞在された。見慣れぬ新しい食器の数々が大いにグランシェフの興味を誘っていた。
昨年のRED U-35 (RYORININ's EMERGING DREAM) にて、最優秀料理人(グランプリ)に輝いたパリの1つ星レストランsolaの吉武広樹シェフも早朝からTGVで駆け付け、さらに前回のボキューズ・ドール2013にて銅メダルに輝いた星野リゾート 軽井沢ホテルブレストンコートの浜田統之シェフとARITAの器を手に取りながら、作り手である事業者を交え、意見交換される姿も見られた。また、銀座の人気日本料理店「六雁」の秋山能久料理長も強行日程で日本から駆け付け、ARITAブースにて包丁さばきを披露。展示品の皿に美しく繊細に盛り付け、来訪者の足を止めさせた。器をキャンバスに料理で描く、西洋のシェフからはやはり白い器の人気が高かったが、秋山料理長の盛り付けを見て、「ARITAの繊細な色に料理の幅の広がりを感じた」と言う声もあがった。多くの方々の支援もあって、ARITAの魅力が世界に伝わっていく。
リヨンの凱旋報告は東京で
商談ベースの話や見積り依頼、自身のレストランのためのオーダーメイドの食器開発の相談など、問い合わせも多く、コンタクトシートが足りなくなるという嬉しい悲鳴も...。帰国後のしっかりとした対応で、ビジネスに繋げていこうと、関係者一同、心を引き締めながらも、自分たちのものづくりの可能性を実感し、会場では顔がほころぶ。ARITAプロユース"educe"プロジェクトチームは、2月17日~20日にて、東京ビックサイトで開催される「第43回国際ホテル・レストランショー」にも出展を予定しており、18日にはトレンドセミナーとしてSIRHA2015への出展凱旋報告を事業者自ら行う。「世界のトップシェフたちが求める食器」づくりを目指すARITAをぜひ会場にてご覧いただきたい。